診断ではなく「記録」と「獣医さんへの相談の準備」のための情報をお届けしています
トイレの記録

猫のおしっこの回数や量が増えたときのチェックポイント

この記事でわかること

  • 「量が増えた」と「回数は多いのに少ししか出ない」は、意味がちがうこと
  • お水の量の量り方と、飲みすぎの目安
  • すぐに受診したいサインと、獣医さんに伝えるメモのまとめ方

トイレそうじをしていて、「最近かたまりが大きいな」「なんだか回数が多い気がする」と感じることがありますよね。

おしっこの変化は、からだからの大切なサインです。ただ、ひとくちに「おしっこが増えた」といっても、量が増えているのか、回数だけが増えているのか で、急ぎ方がまったくちがいます。この記事では、その見分け方と、記録のしかたをまとめました。

この記事は、原因を判断するためのものではありません。おしっこの変化に気づいたら、早めに獣医さんに相談してくださいね。

まず見分けたい2つのパターン

① 量が増えた ② 回数は多いのに、少ししか出ない
かたまり 大きい・数が多い 小さい・ほとんどない
トイレでのようす ふつうに出ている 力む、長くいる、鳴く、何度も出入りする
お水 よく飲むことが多い 変わらないことも
急ぎ方 早めに受診を すぐに受診を(特にオス)
① 量が増えた② 回数は多いのに少ししか出ない大きい・数が多い小さい・ほとんどない早めに受診をすぐに受診を
トイレの砂のかたまりで見分けるイメージです。②は特にオスの猫で急ぎます。

② 回数は多いのに、少ししか出ないとき

すぐに動物病院へトイレに何度も行って力んでいるのに、おしっこが出ていない・ほんの少ししか出ないときは、様子を見ずにすぐに動物病院に連絡してください。特にオスの猫は緊急です。

なぜオスの猫は特に急ぐの?

福岡市獣医師会やコーネル大学の資料では、オスの猫は尿道が細く長いため、結石などでおしっこの通り道がつまりやすいとされています。アメリカ獣医外科専門医協会(ACVS)の解説では、完全につまってしまうと命にかかわるとされていて、コーネル大学の資料では、早ければ1〜2日ほどで命にかかわることがある とされています。イリノイ大学獣医学部のコラムでも、尿道のつまりは「本当の緊急事態」で、すぐに動物病院へ、とされています。

おしっこの通り道(イメージ)メスオスぼうこうぼうこう細く長いつまりやすい太く短め
オスの猫は尿道が細く長いため、結石などでおしっこの通り道がつまりやすいとされています(わかりやすくした模式図です)。

PDSAの解説では、少しは出ているように見えても悪くなることがあるので、その場合も連絡を、とされています。また、おうちで何とかしようとせず、すぐに獣医さんに診てもらうことがすすめられています。

こんなようすにも気をつけて

こんなようすにも気をつけて
  • トイレで鳴く、痛そうにしている
  • おまたのまわりをしきりになめる
  • 吐く、食べない、ぐったりしている
  • おなかがはっている、さわると嫌がる
  • おしっこに血がまじる、ピンクっぽい
  • トイレ以外の場所(お風呂、洗面台、冷たい床など)でする

「便秘かな」と思ったら、おしっこも確認

トイレで力んでいると、「うんちが出ないのかな」と思ってしまいがちです。でも、PDSAの解説では、おしっこで力んでいるのか、うんちで力んでいるのかは見分けにくいとされています。トイレの砂におしっこのかたまりができているか を確かめて、わからないときは迷わず相談しましょう。

ストレスが関係することも

International Cat Careの解説では、猫の膀胱炎の中には原因がはっきりしないもの(特発性膀胱炎)があり、ストレスが大きなきっかけになるとされています。特に、ほかの猫とのあつれき、室内だけで暮らしている子、多頭飼いの子で起こりやすいと紹介されています。引っ越しや新しい家族など、心当たりがあればメモしておきましょう。

① おしっこの量が増えたとき

お水もよく飲んでいないかな

おしっこの量が増えるときは、たいてい飲む量も増えています。PDSAの解説では、こんなようすが飲みすぎ・おしっこ多めのサインとして挙げられています。

  • いつものどがかわいているようす
  • 水入れの減りが早い
  • 蛇口やトイレ、洗面台、お風呂の水を飲みたがる
  • 飲みすぎて吐く
  • トイレの回数が増えた、かたまりが大きくなった
  • トイレ以外の場所でしてしまう

PDSAやInternational Cat Careでは、原因として、腎臓の病気、糖尿病、甲状腺の病気、尿路の感染などが挙げられています。どれにあたるかは、血液や尿の検査で獣医さんが調べるものなので、飲む量・おしっこが増えたと感じたら、受診の予約を とりましょう。

コーネル大学の猫の健康センターの解説でも、年を重ねた猫に多い腎臓の病気で、飲む量やおしっこが増えることが挙げられています。

お水は減らさないでPDSAは、お水を減らしたり取り上げたりしないように と注意しています。飲みたがるのには理由があるので、いつでも新しいお水を飲めるようにしておいてくださいね。

お水の量の量り方

International Cat Careでは、こんな量り方が紹介されています。

1300mLを入れる224時間後に残りを量る3入れた量− 残った量=飲んだ量1日に飲んだ量のめやす
International Cat Careで紹介されている量り方です。300mLは一例です。
量るときのコツ
  • 何日か続けて平均を見る:お水は少しずつ蒸発もするので、1日だけで決めないで
  • 水入れが複数あるときは、すべて量る
  • 多頭飼いのときは:International Cat Careでは、ストレスにならない範囲で、24時間だけ別々にする方法も紹介されています

飲みすぎの目安

International Cat Careの解説では、1日に体重1kgあたり100mLより多く飲んでいたら、ふだんより多く飲んでいる とされています。4kgの子なら、400mLより多いイメージです。

体重 100mL/kgにあたる量
3kg 300mL
4kg 400mL
5kg 500mL

ただし、獣医さん向けの資料の中には、もっと少ない量から「多め」と考えるものもあります。また、ウェットフード中心の子は、ごはんから水分をとるぶん、お皿から飲む量が少なめです。この線より少なくても、「前より急によく飲むようになった」と感じたら、それだけで獣医さんに伝える価値があります。

体重から飲む量の目安を確かめたいときは、お水の量チェックをつかってみてください。

記録するときは

獣医さんに伝えるときは、「増えた気がする」より、いつから・どのくらい があると、ぐっと伝わりやすくなります。

受診のときに持っていきたいメモ

項目 例
気づいた時期 2週間くらい前から
おしっこの回数 1日3回 → 5〜6回
かたまりの大きさ いつもより大きい/小さい(写真あり)
トイレでのようす ふつう/力む・長くいる・鳴く
お水の量 24時間で約420mL(3日平均)
ごはん フードの種類(ウェット・ドライ)と量、変えた日
体重 最近の記録
ほかのようす 食欲、元気、吐く、トイレ以外でする
心当たり 引っ越し、新しい猫が来た など
  • おしっこのサンプル:PDSAやInternational Cat Careでは、できればおしっこを持っていくことがすすめられています。持っていくかどうか、集め方は、事前に病院に確認しましょう
  • かたまりの写真:いつものときと、気になるときの両方があると比べやすいです
  • トイレでのようすは動画で

おしっこのようすを図で見比べたいときはトイレ早見表、伝えたいことの整理には通院メモが便利です。毎日の回数は、ブラウザに30日分残せるまいにち記録でもつけられます。

ふだんのトイレの見方はおしっこ・うんちの記録でわかること、受診前の準備は動物病院に行く前にまとめておくことでも紹介しています。

まとめ

おしっこの「量が増えた」ときは早めに受診の予約を、「回数は多いのに出ていない」ときはすぐに動物病院へ。この2つを覚えておくだけで、いざというときにあわてずにすみます。毎日のトイレそうじのついでの小さな記録が、うちの子を守る大きな手がかりになりますよ。

この記事は、診断や治療のためのものではありません。いつもとちがう様子が続くとき、急に具合が悪くなったときは、早めにかかりつけの獣医さんに相談してください。

参考にした情報

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