太りぎみの猫のダイエット|少しずつ減らす考え方と進め方
この記事でわかること
- 猫のダイエットは、1週間に体重の1%前後のゆっくりペースが目安なこと
- 急にごはんを減らしたり、食べない日が続いたりすると危ない理由
- ごはん・おやつ・遊びの見直し方と、2週間ごとのふり返り方
だっこしたときに「あれ、ずっしりしてきたかも」と感じたり、上から見たときに腰のくびれがわからなくなっていたり。ぽっちゃりした姿もかわいいけれど、うちの子の体のことを考えると、少し気になりますよね。
猫のダイエットでいちばん大切なのは、急がないことです。人のダイエットのように「今月中に何kg」と考えるのではなく、何か月もかけて、少しずつ体を軽くしていきます。この記事では、その考え方と進め方をまとめました。
まずは体型をたしかめる
体重の数字だけでは、骨格の大きい子・小さい子のちがいがわかりません。そこで獣医さんは、見た目とさわり心地で体型を点数にする「ボディコンディションスコア」を使います。AAHA(米国動物病院協会)の解説では、9段階のうち4〜5が、多くの子にとって理想とされていて、肋骨がうすい脂肪の下にさわってわかるくらいが目安です。
おうちでは、体型チェックで「上から・横から・さわって」の3つを見てみてください。体重の目安や体型の見方は、猫の体重はどれくらいが目安?でもくわしく紹介しています。
「少しずつ」がいちばん大事な理由
猫は、ごはんをほとんど食べない日が続くと、体の脂肪が肝臓にたまってしまう「肝リピドーシス(脂肪肝)」という病気になることがあります。
コーネル大学の猫の健康センターの解説では、太りすぎの猫で特に多いとされていて、イリノイ大学獣医学部のコラムでも、太りぎみの猫はなりやすいと紹介されています。タフツ大学の解説では、数日以上食べないことがきっかけになるとされています。つまり、太りぎみの子ほど「ごはんを急に減らす」「食べなくなってもそのままにする」が危ないのです。
減らすペースの目安
AAHAの飼い主さん向けの解説では、猫は1週間に体重の1〜2%までにして、それより速く減らさないようにとされています。PDSAの資料では、1週間に、はじめの体重の1%くらいがよい目標とされています。獣医さん向けの肥満予防協会(APOP)の資料では、猫は1か月に2〜5%くらい(1週間なら0.5〜1.2%くらい)がめやすとされています。
まとめると、「1週間に1%前後」くらいのゆっくりしたペースが安心です。数字にすると、こんな感じです。
| いまの体重 | 1週間の1% | 4週間でだいたい |
|---|---|---|
| 5kg | 約50g | 約200g |
| 6kg | 約60g | 約240g |
| 7kg | 約70g | 約280g |
グラフを見ると、「12週間かけて、たったこれだけ?」と思うかもしれません。でも、猫の体にとっては、このくらいがちょうどいいペースです。目標の体重までは、何か月もかかることがふつうなので、あせらずにいきましょう。
ダイエットの進め方
- 獣医さんに相談する病気がかくれていないかを見てもらい、目標の体重と、1日のごはんの量を決めてもらいます
- いまの量を知る1日に食べているごはんを、まず量ってみます。おやつや、家族がこっそりあげているものも、ぜんぶ書き出しましょう
- ごはんを量ってあげるPDSAの資料では、1日分のごはんを朝のうちに量っておく方法が紹介されています。目分量だと、少しずつ多くなりがちです
- 2週間ごとに体重を量るAAHAの解説では、2週間ごとに体重を量って、進みぐあいを見ることがすすめられています
- 獣医さんと見直す減りすぎ・減らなさすぎのときは、量を少しずつ調整します。自分だけで大きく減らさないようにしましょう
1日のカロリーの目安は、ごはんの量の目安で計算できます。ただし、太りぎみの子は、いまの体重で計算すると多めに出ることがあります。ダイエット中の量は、獣医さんに決めてもらった数字を優先してくださいね。
獣医さん向けの資料(APOP)では、ダイエット中は2〜4週間ごとに見直し、減り方が足りないときは、まず食べている量やおやつを確かめてから、カロリーを5〜10%ほど調整する、とされています。いっぺんに大きく変えないのがポイントです。
おやつとのつきあい方
ダイエット中でも、おやつをゼロにしなくて大丈夫です。WSAVA(世界小動物獣医師会)の資料では、おやつは1日のカロリーの10%までとされています。理想の体型のおとなの猫で、体重2.5kgの子なら約18kcal、7kgの子でも約28kcalまでが目安です。
- おやつは1日分を先に小皿に分けておく
- 1つぶを小さく割って、回数で楽しむ
- ごほうびを「遊び」や「なでなで」にかえる日もつくる
- 家族それぞれが、べつべつにあげている
- 人の食べものを少しずつ分けている
- おやつでごはんのかわりにしている
WSAVAの資料では、人の食べものはカロリーが高いものが多く、少しでもおやつの枠をこえてしまうことがある、とされています。PDSAの資料にも、「猫は、おやつがなくても愛されていることをわかっている」という、すてきな言葉がありました。
遊びで、からだを動かす
ごはんの見直しとあわせて、遊ぶ時間も少しずつふやしてみましょう。AAHAの解説では、1日2回、10〜15分ずつ遊ぶ時間をつくることがすすめられています。PDSAの資料では、猫はもともと「短い時間に、ぱっと動く」のが得意な動物なので、こまめに遊ぶのが合っているとされています。
いきなり長く遊ばせようとしなくて大丈夫です。PDSAの資料でも、ごはんや運動を「大きく・急に」変えないようにとされています。うちの子が楽しめる遊びを、少しずつ見つけていきましょう。
多頭飼いのときは
猫が何匹かいるおうちでは、ほかの子のごはんを食べてしまうことがあります。PDSAの資料では、ほかの猫に食べられてしまうなら、ごはんを出しっぱなしにしないほうがよい、とされています。ごはんの時間だけ部屋を分けるなど、その子たちに合った方法を、獣医さんとも相談してみてください。
ダイエット中に毎日見ておきたいこと
- ごはんを、いつもどおり食べているか
- 元気があって、遊びにのってくるか
- うんち・おしっこが、いつもどおりか
- 体重を2週間ごとに量れているか
- 体型を、ときどきさわって確かめているか
PDSAの資料では、体重計だけにたよらず、数週間ごとに体型も確かめることがすすめられています。体重チェックで、前回から何%変わったかを見ておくと、ペースが速すぎないかがわかります。
記録するときは
まとめ
猫のダイエットは、1週間に1%前後のゆっくりペースで、何か月もかけて進めるものです。ごはんを急に減らしたり、食べない日をそのままにしたりしないことが、いちばんの約束です。
ごはんを量る、おやつは10%まで、1日2回の遊び、そして2週間ごとのふり返り。小さなことの積み重ねが、うちの子の軽やかな毎日につながっていきますよ。
この記事は、診断や治療のためのものではありません。いつもとちがう様子が続くとき、急に具合が悪くなったときは、早めにかかりつけの獣医さんに相談してください。
参考にした情報
- AAHA「Feline Fitness: How to Help Your Cat Lose Weight」
- PDSA「Getting your cat into shape」(PDF)
- Association for Pet Obesity Prevention「Veterinary Step-Based Weight Loss Calculator for Dogs and Cats」
- WSAVA「Feeding treats to your cat」(PDF)
- AAHA「5 ways to know how much to feed your pet」
- Cornell Feline Health Center「Hepatic Lipidosis」
- University of Illinois College of Veterinary Medicine「Hepatic Lipidosis: A Serious Problem When Cats Stop Eating」
- Tufts University Petfoodology「Treatment of Hepatic Lipidosis in Cats」
- Pet Nutrition Alliance「Creating A Nutritional Plan」
この記事といっしょに使えるねこツール
きょうのうちの子を、30秒で記録してみませんか?
まいにち記録をつける