おうちで猫のおしっこを採る方法|尿検査に持っていくときのコツ
この記事でわかること
- 水を吸わない砂をつかった、おしっこの採り方の手順
- 新しいほど正確。持っていくまでの時間と冷蔵庫での保存
- うまく採れないときと、採るより先に受診したいとき
動物病院で「次はおしっこを持ってきてくださいね」と言われて、どうやって採ればいいの?と困ってしまったこと、ありませんか。
猫はトイレの砂の上でおしっこをするので、そのままでは砂に吸われてしまいます。でも、ちょっとした準備をすれば、おうちでも採ることができます。この記事では、イギリスの動物病院チャリティ・PDSAの方法をもとに、採り方と持っていくまでのコツをまとめました。
集め方や保存のしかたは、病院によって指示がちがうことがあります。かならず、かかりつけの病院の指示を優先してくださいね。
おしっこの検査で、なにがわかるの?
おしっこは、からだの中のようすを、針をささずに知ることができる大切な手がかりです。アメリカの動物病院協会(AAHA)のシニアケアのガイドラインでは、シニアの猫には 尿検査を6〜12か月ごと にすることが目安として挙げられていて、健康診断の定番の検査のひとつになっています。
獣医さんは、おしっこの検査の結果を、からだのチェックや血液検査などの結果とあわせて見ながら、からだの状態を考えていきます。PDSAの解説でも、早く調べるほど結果が正確になる、とされています。だからこそ、できるだけ新しく、ほかのものがまざっていないおしっこ を持っていくことが大切なんです。
採る前に、病院に聞いておくこと
PDSAは、まず 獣医さんが決まった時間に採ったおしっこを希望しているか を確かめて、できるだけその時間に近いときに採るように、としています。ゾエティスの解説でも、検査のためのサンプルが必要なときは、病院から前もって知らせてもらえる、とされています。
- いつ採ったおしっこがいいか(朝いちばんなど、時間の指定があるか)
- どのくらいの量があればいいか
- 容器は病院でもらえるか、どんなものがいいか
- 持っていくまで、どう保存すればいいか
用意するもの
手袋もあると安心です。PDSAは、手袋をするか、トイレをさわる前とあとに手を洗うように、としています。
採り方の手順
- トイレを空にして、きれいに洗う洗ったあとは、よくすすいでしっかり乾かします。PDSAは、汚れや洗剤、それに水でさえも、おしっこにまざると結果に影響することがある、としています
- 水を吸わない砂を入れる水を吸わないタイプの猫砂をしきます。細かく切った雑誌の紙をつかう方法も紹介されています
- いつもの場所にもどして、待つトイレはふだんと同じ場所に。こまめにのぞいて、うんちをしていたら、まわりの砂ごとすぐに取りのぞきます
- トイレをかたむけて、吸いとるおしっこをしたら、トイレをかたむけて角にあつめ、スポイトやシリンジで容器に移します
- ラベルを書く飼い主さんの名前、猫の名前、採った日と時間を書いておきます
- できるだけ早く病院へPDSAは、早く調べるほど結果が正確になる、としています
多頭飼いのときは
何匹かで暮らしていると、「いまのおしっこは、だれのものだろう?」となりがちです。採りたい子がトイレに入るところをそっと見守るか、ほかの子が入る前に回収できるよう、こまめにのぞいてみましょう。だれのものかはっきりしないときは、受付で「たぶん◯◯のもの」とひとこと伝えるか、採り直すのがおすすめです。結果を正しく読むための、大切な情報になります。
採ったあと:保存と持っていくまで
いちばんいいのは、すぐに持っていくこと
PDSAは、できればそのまま病院へ持っていき、むずかしいときは冷蔵庫で保存する ように、としています。
PDSAの解説には、何時間まで置いてよいかの決まった時間は書かれていません。参考までに、検査をする人向けの臨床検査の教科書(ミネソタ大学のオープン教科書)では、検査室での目安として、すぐ(30分以内)に調べられないときは冷蔵保存し、冷蔵していても12時間以内には検査する、とされています。これは病院に着いてから調べるまでの時間も含めた、検査する側の目安です。「12時間までなら置いておいて大丈夫」という意味ではないので、おうちで何時間まで置いてよいかは、かならずかかりつけの病院に確認してください。
冷蔵庫に入れるときは、ふたをしっかりしめた容器を、さらにビニール袋やジッパーつきの袋に入れておくと、食べものとふれずに安心です。持っていくときも、袋に入れたまま、倒れないように運びましょう。
ラベルの書き方
うまく採れないときは
- トイレは、ふだんと同じ場所に置く
- こまめにのぞいて、うんちはすぐ取る
- トイレを洗ったあと、水気をしっかりふく
- 多頭飼いなら、だれのおしっこかを見ておく
- ふつうの猫砂に吸われたものは採れない
- 洗剤や水滴が残ったトイレをつかう
- うんちとまざったおしっこ
- 採った時間がわからない
- ふだんトイレをつかわない子:PDSAは、まずふつうの猫砂のトイレに慣れてもらってから、水を吸わない砂に切りかえる必要があるかもしれない、としています
- 砂はくり返しつかえる:水を吸わない砂は、とてもよく洗って乾かせば、またつかえるそうです
- どうしても採れないとき:おうちで採れないときは、病院で預かって採る方法や、細い針で膀胱から直接おしっこを採る方法(膀胱穿刺)を、獣医さんが考えてくれることもあります。無理せず相談してくださいね
少ししか採れなかったときは
スポイトで吸えたのがほんの少しだけ、ということもありますよね。どのくらいの量が必要かは検査の内容によってちがうので、少なくても捨ててしまわずに、病院に電話して「これだけ採れたのですが、足りますか?」と聞いてみましょう。足りないときは、もう一度トイレを準備して採り直したり、病院で採る方法に切りかえたりと、獣医さんがいっしょに考えてくれます。
1回でうまくいかなくても、だいじょうぶ。猫にとっても飼い主さんにとっても、無理のない方法をえらんでいきましょう。
採るより先に、受診したいとき
PDSAでは、少しは出ていてほかのようすがないときも、獣医さんに相談を、とされていて、そのときに採れればおしっこを持っていくように、とされています。おしっこの回数や量の変化については、猫のおしっこの回数や量が増えたときのチェックポイントでくわしく紹介しています。
記録するときは
- おしっこの回数と、かたまりの大きさ(いつもとくらべて)
- 色やにおいで気になったこと
- トイレでのようす(力む、長くいる、鳴く)
- お水を飲む量の変化
おしっこのようすを図で見くらべたいときはトイレ早見表、伝えたいことの整理には通院メモが便利です。
まとめ
おしっこは、きれいに洗って乾かしたトイレに、水を吸わない砂をしいて採ります。採ったらラベルに日付と時間を書いて、できるだけ早く病院へ。むずかしいときは冷蔵庫で保存して、病院の指示に合わせて持っていきましょう。うまくいかなくても大丈夫。病院で採る方法もあるので、気軽に相談してみてくださいね。
この記事は、診断や治療のためのものではありません。いつもとちがう様子が続くとき、急に具合が悪くなったときは、早めにかかりつけの獣医さんに相談してください。
参考にした情報
- PDSA「How to collect a urine sample from your cat」
- PDSA「How to collect a urine sample from your cat(PDF)」
- University of Minnesota Pressbooks「Clinical Veterinary Diagnostic Laboratory:Sample Collection(Urinalysis)」
- PDSA「What to do if your cat/dog can't pee」
- Zoetis「Cat Vet Visits:What to expect at your cat's check-up」
- AAHA「2023 AAHA Senior Care Guidelines:Diagnostic Tests and Recommended Frequencies for Senior Dogs and Cats」
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