猫に薬を飲ませるコツ|錠剤・粉薬・液体の薬の上手なあげ方
この記事でわかること
- はじめる前に確かめたいこと(処方どおりに・人の薬はあげない)
- 錠剤の手の位置と、飲ませたあとにお水やフードで流す理由
- フードにかくすとき、粉薬・液体の薬のコツ
動物病院でお薬をもらって、おうちに帰ってきたものの……。錠剤を口に入れたはずが、ぺっと出されてしまった。そんな経験、ありませんか?
猫に薬を飲ませるのは、飼い主さんにとっても猫にとっても、ちょっぴりたいへんな時間です。でも、手の位置と、ちょっとした順番 を知っておくと、ぐっとスムーズになることがあります。この記事では、錠剤・粉薬・液体の薬のコツを、獣医系の大学や団体の情報をもとにまとめました。
はじめる前に、確かめたいこと
- 処方された量・回数・期間を確かめた
- ごはんといっしょか、空腹のときにあげるのかを確かめた
- 錠剤を割ったり、つぶしたりしてよいかを確かめた
- フードにまぜてよいか、まぜてよいものは何かを確かめた
- 飲ませたあとにあげる、お水かごほうびを用意した
ワシントン州立大学の動物病院の解説では、ごはんといっしょにあげるのか、空腹のときにあげるのかは、獣医さんが教えてくれるとされています。PDSAの解説では、錠剤によっては割ったりつぶしたりすると効き目が変わるものがあるので、先に獣医さんに確かめるように、とされています。
また、元気になったように見えても、自己判断でやめない ことも大切です。PDSAの解説では、急にやめると副作用が出る薬があることや、抗生物質は耐性菌を防ぐために最後まで飲みきる必要があることが挙げられています。
錠剤の飲ませ方
コーネル大学の動物病院の薬局の案内と、ワシントン州立大学の解説をもとに、手の位置を図にしました。
- 先に準備をすませるコーネル大学の案内では、猫をつれてくる前に、薬とお水(シリンジ)を用意しておくことがすすめられています。飼い主さんがあせると、猫にも伝わりやすいので、深呼吸してから。
- 体をやさしく支えるタオルや毛布でくるむと、前足が動きにくくなって、飲ませやすくなります。はじめは、もうひとりに手伝ってもらうのもおすすめです。
- 頭の上から手をそえて、あごを上に右ききなら、左手で頭の上から、ほお骨のあたりを持ちます。そっと頭をうしろにかたむけると、下あごがひらきやすくなります。
- 下の前歯を押して、舌の奥へ右手の親指と人さし指で錠剤を持ち、中指で下の小さな前歯のあたりを押して口をあけます。錠剤は舌のできるだけ奥に。奥に置くほど、はき出されにくくなります。
- 口をとじて、のどをなでるすぐに口をとじて、のどをやさしくなでたり、鼻にふっと息をかけたりすると、飲みこみやすくなります。
ワシントン州立大学の解説では、錠剤を飲ませる専用の器具(ピルガン)を使う方法も紹介されています。PDSAの解説では、器具は獣医さんにすすめられて、使い方を教わったときに使うように、とされています。
錠剤のあとは、お水やフードで流す
コーネル大学の動物病院の薬局の案内では、錠剤やカプセルを飲ませたら、すぐにスポイトやシリンジで、小さじ1杯ほど(5〜6mL)のお水をあげる ことがすすめられています。錠剤が食道にとどまるのを防ぐのに役立つ、とされています。PDSAの解説でも、錠剤がのどにくっつかないように、飲ませたあとにお水をあげることが紹介されています。
ブリストル大学の動物病院(Langford Vets)の案内では、2mLほどのお水を口の横からたらすか、好きなおやつをいくつかあげる方法が紹介されています。どちらも「錠剤のあとに、何かでしっかり流す」という考え方は同じです。
フードやおやつにかくすとき
かくしてもよい薬かどうかは、まず獣医さんに確かめましょう。PDSAの解説では、空腹のときにあげる必要がある薬や、まるごと飲ませる必要がある薬もあるとされています。
PDSAの解説では、まず薬の入っていないおやつをいくつかあげてから、薬を包んだおやつをあげる方法が紹介されています。Langford Vetsの案内にもあるように、最後にもう1つふつうのおやつをあげると、ちゃんとのみこんだか確かめやすくなります。においの強いものほど、薬のにおいをかくしやすいそうです。ごはんにまぜるときは、おなかがすいているときに、いつものごはんの前に少しだけ薬入りをあげると、残さずに食べてくれやすくなります。
ワシントン州立大学の解説では、猫は食べものをかんで、錠剤だけをはき出すことがあると注意しています。とけかけた錠剤は苦くなって、2回目はもっと飲ませにくくなるので、ちゃんと食べきったか見届けましょう。
粉薬や、つぶしてよいと言われた錠剤
Langford Vetsの案内では、つぶしてよいと獣医さんに確かめた錠剤を、こんな方法であげるやり方が紹介されています。粉薬のときも、まぜてよいものを獣医さんに確かめてから同じように考えられます。
- ウェットフードにまぜる:小さじ1杯ほどのおいしいウェットフードによくまぜて、おなかがすいているとき、いつものごはんの前にあげる
- ぬるま湯でとかしてシリンジで:3mLほどのぬるま湯でとかして、口の横から少しずつたらす
- 猫に見えないところで準備する:つぶしたり、まぜたりするところは、猫の見ていない場所で
液体の薬は「上を向かせない」
- あごを上に向ける
- 舌のできるだけ奥へ
- すぐに口をとじて、のどをなでる
- 頭は上に向けない
- シリンジは口の横から、歯のすぐうしろへ
- 少しずつ入れて、飲みこむのを待つ
ワシントン州立大学の解説では、液体の薬は、頭をうしろにかたむけないように とされています。液体は錠剤より気管に入りやすいからです。コーネル大学の案内でも、シリンジの先を下の歯のすぐうしろに入れて、少しずつ、あいだをあけながら入れることがすすめられています。
うまくいかないときは
何度やってもむずかしいときは、ひとりでがんばりすぎずに、獣医さんに相談してください。Langford Vetsの案内では、処方された薬をあげられないときは、ほかの形の薬のほうが合うこともあるので相談するように、とされています。ワシントン州立大学の解説でも、錠剤を液体にするなど薬の形を変えるときは、効き目が変わるものもあるので、必ず獣医さんに相談するように、とされています。
- 飲ませたあとのよだれ:コーネル大学の案内では、飲ませたあとによだれが多く出ることがあっても、ふつうは心配いらないとされています
- かまれたら:猫の口には細菌が多く、かまれると深い傷になることがあります。よく洗って、人の病院にかかりましょう
- 終わったら、ごほうび:おやつや、なでる、遊ぶなど、好きなことでしめくくると、薬の時間のイメージがやわらぎます
毎日の飲ませた時間は、メモしておくと飲み忘れや、2回あげてしまうのを防げます。次の通院やノミ・ダニ予防の日はお世話カレンダーで、飲ませにくかったことや気になったことは通院メモでまとめておくと、次の受診で相談しやすくなります。
まとめ
猫に薬を飲ませるときは、「処方どおりに」「人の薬はあげない」が大前提です。錠剤は舌の奥に置いて、そのあとお水やフードでしっかり流す。液体の薬は上を向かせずに、少しずつ。うまくいかない日があっても大丈夫です。むずかしいときは、薬の形を変えられないか、獣医さんに相談してみてくださいね。
この記事は、診断や治療のためのものではありません。いつもとちがう様子が続くとき、急に具合が悪くなったときは、早めにかかりつけの獣医さんに相談してください。
参考にした情報
- Cornell University Hospital for Animals Pharmacy「Giving Your Cat Oral Medications」
- Washington State University Veterinary Teaching Hospital「How do you give oral medications to a cat?」
- Langford Vets(ブリストル大学)「Medicating your cat」
- PDSA「How to give your pet a tablet」
- Cornell Feline Health Center「Poisons」
- Cats Protection「Arthritis」
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